第190章 それは福田さんに感謝ですね!

福田祐衣の言葉に、古川美月は仕方なく頷き、その背中を追って足早に去っていった。

その場に残された近藤蒼大は、口の端を吊り上げ、瞳の奥に昏い光を宿した。

午後二時、盛昌建材のプラントエリア。

責任者の髙橋毅は、柏原グループの社長が視察に訪れると聞き、とうの昔から工場区画の入り口で待ち構えていた。

やがて遠くから一台のベンツが近づいてくるのが見え、髙橋毅は瞬時に居住まいを正すと、揉み手でもせんばかりの勢いで駆け寄った。

車が止まり、先に若い男が降りてくる。彼は反対側に回ってドアを開け、頭をぶつけないように手を添えながら低い声で促した。

「福田さん、足元にお気をつけください」

福田祐...

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